離婚が成立するまでの生活費を支払ってもらいたい
夫婦関係が破綻すると、夫が妻に生活費を渡してくれなくなることがあります。
このような場合、今後の生活に困ることになりますが、離婚が成立するまでの間、配偶者に対する扶養義務があるので、妻は夫に対し生活費(婚姻費用)を請求することができます。
子の婚姻費用は、夫婦双方の収入と子の人数及び年齢を基準として決められます。一般的には「婚姻費用の算定表」を基準に決められることが多いです。
婚姻費用の支払い義務は、夫婦の扶養義務に基づくものですので、原則支払いを拒絶することはできません。
また婚姻費用は、収入が多い者が少ない者に対して請求しますので、一般的には妻が夫に対して請求を行うことになります。
参考:裁判所「婚姻費用・養育費の算定表」
婚姻費用の定め方
婚姻費用の定め方としては、
- ①夫婦の合意
- ②家庭裁判所の調停
- ③家庭裁判所の審判
があります。
別居をしている配偶者に対して生活費を支払うことを拒絶するケースは少なくありません。また、婚姻費用の支払いを認めたとしても、極めて少ない額の生活費しか支払ってもらえないというケースも多いです。生活費はできるだけ早く確保したいと思いますので、こういった場合には、できるだけ早期に家庭裁判所に対し婚姻費用の調停を申し立てる必要があります。なお、過去分の婚姻費用は原則請求することはできません。
参考:裁判所「婚姻費用・養育費の算定表」
婚姻費用を強制的にもらう方法
公正証書に強制執行を認める旨の条項が入っていたり(“強制執行認諾文言”といいます。)、家庭裁判所の手続きで婚姻費用の支払いを定めた場合(調停・審判・判決)に、相手方が婚姻費用の支払いを怠ったときには、相手方の財産(不動産・預貯金・給与等)に対して強制執行手続を行い、法的に強制的に回収することができます。
また、履行勧告といって、相手方に養育費を支払うよう裁判所から勧告をしてもらう手続きもあります。