離婚が成立するまでの生活費が欲しい婚姻費用
婚姻費用とは別居期間中の夫婦や子どもの生活費などの婚姻生活を維持するために必要な一切の費用をいいます。
離婚するまでの間の生活費を支払ってもらえない場合や、払ってもらっている生活費が極端に少ない場合に相手方に対し、婚姻費用の分担を請求します。収入が少ない者が、収入の多い配偶者に対して請求することが一般的です。
婚姻費用の決め方
婚姻費用は、夫婦双方の収入と子どもの人数及び年齢を基準として決められます。一般的には「婚姻費用の算定表」を基準に決められることが多いです。 養育費の支払いを拒絶することはできませんが、話し合いの場面では夫が婚姻費用の支払いを拒絶する例は少なくありません。
夫側が支払いを拒絶する場合には、できるだけ早期に婚姻費用分担調停の申し立てを行うことをお勧めします。
参考:裁判所「婚姻費用・養育費の算定表」
夫婦で築いた財産はきちんと分けてもらいたい財産分与
財産分与は、婚姻期間中、夫婦が共同生活のなかで形成した財産の分与方法を決めるための手続きになります。
夫婦のいずれか一方の名義になっている財産であっても、実際には夫婦の協力によって形成されたものであれば、財産分与の対象となります。
婚姻期間中に形成した財産は原則夫婦の協力によって形成された財産であると考えられますが、
婚姻前から保有していた財産や親の相続で取得した財産等は財産分与の対象にはなりません。
将来の年金が心配年金分割
年金分割は、一定条件の下で、婚姻期間中の厚生年金の標準報酬を離婚後も分割して受給できるようにする制度です。
年金分割の方法には、合意分割と3号分割の方法があります。年金分割は離婚後2年以内に手続きを行う必要がありますので、離婚をした場合、請求を忘れないように気を付けてください。
- ◆合意分割とは・・・
夫婦の合意又は裁判所の手続き(調停又は審判)により厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)の按分割合を決める手続です。ただし、その割合は最大限で2分の1と定められています(厚生年金保険法78条の3)。
- ◆3号分割とは・・・
平成20年5月1日以後に離婚等をし、一定の条件に該当したときに平成20年4月1日以後の婚姻期間中の相手方の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を2分の1ずつ、当事者間で分割することができる制度です。
どのくらいの期間について年金分割が受けられるかは、年金事務所で調べることができます。
子どもの生活費はきちんと確保したい養 育 費
子どもを監護する親(監護親)は、子どもを監護していない親(非監護親)に対して、子どもを育てていくための養育に要する費用を請求することができます。
この費用が「養育費」というものです。(「養育費」について )
養育費は、父親・母親双方の収入の中から子どものために使われていたはずの生活費の額を算定し、これを父親と母親が双方の収入の割合で配分し、子どもと離れている親が、子どもの面倒を見ている親に支払う額を算定するという方法で決められます。
非同居親が同居親に支払うべき養育費は「養育費の算定表」を見ることでおおよその金額が分かります。
参考:裁判所「婚姻費用・養育費の算定表」